
社保庁から健康保険業を分割民営化するというわけだ。
しかし、これはいいことなのか?
かつて電電公社がNTTに、最近は郵便局がゆうちょやかんぽを分割して民営化している。
企業間の自由競争でサービス向上になれば、民営化してよかったねって言える。
しかし、健康保険はどうだろう?
民営の健康保険といえば健康保険組合というのがある。
大企業なら一社(グループ会社含む)で、また同業者の組合などで運営しているものだが、
これは誰でも入れるものではない。また、簡単に脱退できるものでもない。
それに会社単位であるから、個々に健康保険を選べるわけじゃない。
社会保険事務所は今後ねんきん事務所になる。しかし健保と厚生年金はセットで加入することに変わりはないので、窓口での受付は変わらない。
でも健康保険だけの業務、例えば病気休業中に給付される傷病手当金とか、亡くした保険証の再発行とか、会社を辞めた後にも2年間だけは加入できる任意継続の手続きなどは社保事務所で扱えなくなる。
しばらくは協会けんぽの受付係を置くというが、常勤ではない。
また民営化によって社保庁のデータへアクセスする権限がなくなるので、その受付係はすぐ隣に端末があるにも関わらず、協会静岡支部に電話して被保険者の確認をとるしか方法がない。
社保庁と協会けんぽのホストコンピュータ同士が共有データの同期を取るのが深夜だというから、電話で確認できるのは前日分のデータだ。
だとしたらこういうことが考えられる。
退職者の資格喪失と任意継続の手続きをしに社保事務所へ行っても、健保と年金の資格喪失はすぐできたが、その横の協会けんぽ受付では任継の手続きができない。1日たたないとその人の資格喪失が確認できないからだ。
なんか滑稽な話だが、実際そうなりそうな気がする。
サービスの向上どころか、あきらかに保険証の発行は遅くなるに違いない。
民営化してよくなることは一つだけあるとすれば保険料だろう。
全国一律から県ごとの保険料率になる。
静岡県は安くなる。これだけはほぼ間違いないハズ・・・