誕生日の思い出
もうすぐ私の誕生日なのだが、誕生日というと思い出すことがある。
まだ昭和だった頃、私は貧乏役者で横浜に住んでいた頃の話だ。
夜、稽古を終えて帰ってくると電話が鳴った。妹だった。
「お兄ちゃん、お誕生日おめでとう。」
「あ、ありがとう・・・?!」
ちなみに妹は私の事を滅多にお兄ちゃんとは呼ばない。
だから何か嫌な予感がしていた。
「今日ね。家が燃えたの!」
「えええええ!」
オヤジが火の不始末で火事を出したらしい。
当時はまだシュレッダーがなく、書類は全て庭に設置した焼却炉で燃やしていた。
火をつけてそのままほったらかしていたようだ。
それでばあちゃんの住んでた離れが半焼した。幸いばあちゃんは病院へ行ってて留守だったからよかったけど。
一部始終を話し終えた妹は笑っていた。話して気が楽になったのだろう。
しかし私にとっては、誕生日だというのにお通夜のような重々しい空気にさせられたわけだ。
そんなわけで皆さん、私の誕生日が近づいていますので火の用心を!
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