松菱の思い出 その1

へろきゃっと

2010年04月29日 00:52

私が子供の頃、松菱は特別な場所だった。

母が小さな私の手を引いて狭い部屋に入った。戸が閉まる。
大人に囲まれて不安な気持ちになると同時、軽いめまいを感じた。
だがすぐにその戸が開き、皆ゾロゾロと部屋を出て行く。

「大人たちはこんな所を出たり入ったりして、何してるんだろう?」

私も母と一緒に部屋を出る。すると、さっき入って来た時と外の様子が違う。

「僅かの時間で模様替えしたの? これは魔法??」

そんな不思議な体験をした場所が松菱だった。
今は当たり前のようにエレベーターに乗っているが、当時は階を移動してるなんて想像もつかなかった。
目線が大人の股下にあっては何も見えないし、何より当時のエレベーターは独特の揺れがあって、一瞬ゾクッとする気持ち悪い感覚があった。

そんな思い出のある場所で路上演劇祭が開かれることになった。

まぁ実際の現場は新館の入り口付近なので、記憶にあるマツビシとは違うんだけど・・・

昔から浜松に住んでいる人なら、何かしら思い出のある場所だと思う。
一日だけでもこの柵を取っ払って、20世紀の、昭和の、あの日々が甦るのは5月22日。

あ、それでその撤去費が30万円くらいかかるそうで、募金募ってます。
詳しくは路上演劇祭のブログで・・・

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