ヤモリ

へろきゃっと

2009年10月24日 00:41

稽古から帰って家の戸を開けようとした瞬間、ハッと手を止めた。

「おいおい、そんなとこにいたら挟まれちゃうよ。」

門燈に照らされた肌がまるで裸の赤ん坊みたい。
紅葉のように広げた指でヒョコヒョコ這う姿もそれっぽい。
でも、垂直のガラス戸を登っていく様子はまるで無重力。


「寒くなってきたけど大丈夫なのかい?」

奴は何も言わず、夜の闇に消えていった。
また来てくれるかな? 「いいとも!」
・・・と、言ったかどうだか。

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